
~処暑~
◎肺の働き
肺は呼吸に携わり、
気との結びつきが深い臓器です。
気の巡りに関わる
肺の代表的な働きを
宣発と粛降といいます。
宣発とは体の上や外に向かって
広く巡らせる働きのことをいい、
粛降はその逆で、
内や下に巡らせ、
納める働きをいいます。
気の巡りだけでなく、
肺は水の巡りも助けています。
水を最終的に膀胱に
降ろすのは肺の働きです。
◎夏の疲れと免疫
夏は大量の汗をかきますが、
実はそれと同時に気を喪失しています。
それが夏の疲れとして
この時期にあらわれてきます。
風邪などの外邪がヒトの体に入る経路は、
鼻や皮毛と言われています。
この鼻や皮毛は肺が元気な時は、
外邪を侵入経路で
防いでくれるのですが、
肺が弱ると外邪から体を守ることが
出来なくなってしまいます。
この働きのことを
現代では免疫と呼びます。
夏の疲れで肺が乾き、
気力も落ちていると免疫が低下し
風邪をひきやすくなります。
この時期しっかりと陰を補い、
脾を整え気を補い
夏の疲れをしっかり癒しましょう。
◎憂いと悲しみ
秋は陰が増え始め、
どこか物憂げで
憂いや儚い悲しみを
含んだ季節に感じます。
肺はこの悲しみを嫌います。
あまり感傷に浸り過ぎず、
くよくよせずに、
実りの秋に感謝し、
夏に失った陰を取り戻し、
冬に備え精をしっかりと蓄えましょう。
▪旬の食材▪
梨 なし
<甘/微酸 寒 肺/胃>
津液を増やし体を潤します。
体にこもった熱を冷まし、
津液を増やしますが、
余分な水毒は排泄してくれます。
この時期に欠かせない食材の一つです。
▪お勧め食材▪
無花果 いちじく
<甘 平 肺/脾/胃/大腸>
肺を潤すため、
肌や粘膜、口などの乾きを潤してくれます。
また咳を鎮め胃腸も丈夫にします。