
□□□本草を紹介□□□

桂皮▪▪▪けいひ
肉桂(にっけい)とも呼ばれる、補腎を主る
代表的な生薬のひとつ。
散寒薬として腎陽を補う生薬で、
身体の芯から温める。
シナモンやニッキの親戚で香りも似ている。
丁子▪▪▪ちょうじ
クローブと呼ばれ、
スパイスとしても利用されている。
腎陽を補い、胃腸を温め、身体の芯から温める。
精力を高めるため、
女性の媚薬としても使われていた。
大茴香▪▪▪だいういきょう
八角と呼ばれ
香辛料としても用いられている。
腎陽を補い、気の巡りを整え、胃を温め
食欲を益してくれる。
生姜▪▪▪しょうきょう
しょうがを乾燥したもの。
胃腸をやさしく温め、発汗作用と合わせて
身体の湿気を取り除く。
小荳蔲▪▪▪しょうずく
カルダモンの種子。
健胃薬として用いられ、
からだの気を巡らせる。
胡椒▪▪▪こしょう
香辛料として用いられる。
胃を温め食欲を増進する。
冷えによる痛みに用いられる。
紅花▪▪▪こうか
血を活かすと言われている。
血の滞りを取り除くことで、
血を生じ、血を巡らしてくれる。
月経痛や打撲の疼痛に用いられる。

~素問の想い~
◎身体の芯から温める
命門の火と呼ばれる体温を維持するための熱源が
身体の中には存在します。
現代人の冷え症はこの命門の火が
弱くなっていることによるものと言われています。
丁字や桂皮、大茴香には
この命門の火を補う力があります。
命門の火を補うことで身体は
芯から温まります。

◎胃腸は健やかに
胃腸は食べ物を消化するために
とても大切な器官です。
胃腸は水毒が溜まりやすく冷えると、
ポテンシャルが一気に下がってしまいます。
消化が滞るとエネルギーを精製できなくなるため、
身体全体の機能が徐々に低下していきます。
生姜や胡椒、大茴香や小荳蔲には
胃腸の湿気を取り除き、
冷えた胃腸を温めてくれる力があります。
日本は湿気の多い国です。
身体の中の湿気取りは大切です。

◎血を巡らせる
血は滞りなく身体を巡ることで、
全身に栄養を行きわたらせることができます。
紅花には活血作用があり、
温めながら血の滞りを改善し血の巡りを
整えてくれます。